チューンナーリの日/ Day of Cu'inari

 12月8日はゴシュサーラス(ヤギ小屋を浄め、小屋の守り神ゴシドイがスリザンに交代する)。これは男の役目なので、女たちは家で掃除、川で洗濯。

 12月9日はチューインナーリ。村の女性たちは「AKIKOの家」のまん前のジャマットの庭に集まり、聖なる歌を歌う。こういった聖なる歌を歌う時は必ずクパース(正装用の頭飾り。カラーシャ女性のシンボル)を被らねばならないのに、私以外一人も被ってるいない。カジといって宗教上の指導者としてけっこうな賃金を政府から受け取っている女性に私が指摘すると、「あら、忘れてた」とケロリとして言う。私は「クパースを被らないでいくら聖なる歌を歌っても、バリマインは耳を貸してくれないよ。クパースが必要ないなら、川に捨ててしまいな」と抗議する。カジの女性は「全くあんたの言う通りだよ」と下を向いた。

 

 ただ、女性たちが「AKIKOの家」を向いて、聖なる歌を歌っていたのは、少しご利益がありそうに思えた。

 

   チョウモスがやって来ました

 健康でありますように

 幸せでありますように

 繁栄しますように

 

 娘たちが山崖に生える草チューインとススキのような草の茎を集めて、集まった女たちに配る。それを掲げて、チューインナーリの歌を歌い踊りながら、神殿に向かう。チューインと茎を神殿の入り口に置く。神殿では3つの大釜で今年取れた赤い豆がグツグツと煮られている。この数日後行われるゴシニック(子供の通過儀礼。七五三のようなもの)で儀礼を受ける子供の親たちが豆を持ち寄って煮ているのだ。煮えたら、ルンブールの谷中の家にクルミを添えて配られる。

 

 12月10日は9日と同じような行事が下流の村で行われる。

 

 2日間豆の分配で、1日目はニンニク、玉ねぎ、干しトマトのペーストを混ぜて三度の食事のおかずにし、2日目の豆は黒砂糖とクルミを潰したのを混ぜて甘いおやつにして、小腹が空いたときにちょろちょろつまみ食いする。