堤防建設の報告

2010年10月 

 9月にいただいた日本の友人たちからの緊急支援金によって造られている3カ所の堤防工事は、予定通りに進んでいます。

 

地下を掘る作業中
地下を掘る作業中

 もちろん辺境の谷の状況の中での「予定通り」なので、日本の工事のペースとはまったく違うということを理解していただければと思います。ブルドーザーやクレーン車があるわけではないので、コンプレッサーのドリルで岩に穴を空けて、ダイナマイトや火薬を詰めて爆発させて岩をくだく作業だけは、チトラールの町から技術者を連れて来て、泊まりがけでやってもらいますが、他のすべての過程が地元の男たちの手作業になります。

 と言うと、そんな村人だけで堤防ができるのかと心配になるかもしれません。しかし、これまでにも私たちのNGOは工事責任者のサイフラー議長の下で、UNDP(国連開発計画)の援助で200m級の堤防建設や、2005年のあの難しかった水力発電所もきちんと造りましたので、安心して任せてもらえると思います。


 まず、バラングル村上流部の25mの堤防工事は9月20日から始まっています。コンプレッサーで岩を砕く作業を終え、今は地下1、5メートル掘り下げて、石とセメントによる基礎を造る作業中です。サンドリガ支谷から木を運び、セメントを流し込む型わくを作り、そこにセメントを流し、石を積み、セメントを流し、石を積むという作業です。

 


 

鉄骨をはめ込む作業
鉄骨をはめ込む作業

 バラングル村下流部の15mの堤防工事は上流部より少し前から始まっています。こちらは8月に鉄砲水が来た際、その下にあった橋に流れてきた丸太や岩がせき止められて、一時土砂が上まで溜まり、そのために対岸の川底が他の場所よりも高くなったので、次回に鉄砲水が来たら、もろ大きい被害を受ける可能性が大なので、セメントと石だけでなく、鉄骨も入れて強度を高めるようにしました。鉄骨をはめ込む作業は私が谷を出る前に終了しました。

 

水力発電所の水路の取り込み口の堤防は9月末に始められ、バラングル村上流部のものと同じく石とセメントの堤防で、長さは20mです。

 堤防工事は寒くなるとセメントが固まらなくなるので、3カ所とも11月半ばまでには造り上げなければならないのが、一つ課題です。私が日本にいる間は、サイフラー議長が折々に電話で工事の報告をしてくれる予定ですので、またブログで報告します。

 

朗報ーその1

 サイフラー議長が、CIADP(Chitral Integrated Area Development Program / ノルウェー政府支援の組織) に申請していた、バラングル村の中間部4カ所の堤防と、橋の上流部の堤防、合計の長さ180mの堤防建設工事が認可されました。多分来年の春になると思いますが、これでバラングル村を守る堤防が村沿いに出来ることになり一安心です。私たちの緊急支援での堤防が完成したら、これらの堤防建設工事に取りかかることになるでしょう。

  残るは発電所への堤防とその向かい側の川岸の堤防です。これについては、日本に帰国後に考えることにします。