未来を孕む女たちの十月十日(とつきとおか)のテントひろば

2011年12月

 予定より早い9月に、ルンブール谷の住処「AKIKOの家」を出て、9月30日から佐賀市の母のそばで生活しています。

 

 一年前に父が他界し、それまで父が定めた生活サイクルの中で動いてきた母は、その柱をなくしてから、自らの肺の病気もあって、急に弱ってきまして、今年から母と同居している末の弟からSOSのメールが入ったので、現地の情勢がおかしくなったのもありますが、まずは母のことが心配で一時帰国してきたわけです。

 

 現代日本人からすれば、パキスタン山奥の村のかなり不便な生活に慣れているので、佐賀で少人数の所帯の家事をするのは楽ともいえます。都会にはない、ゆっくりズムの中で、ルンブール谷での今後の活動のことなどを考えよう、パソコンのファイル、画像の整理、編集などもやろうと思っていました。

 

 ところがです。9月に帰国して驚いたことは、福島原発事故の被害が思っていた以上に重大であって、今もまさに進行形で様々な問題が引き起こされているのに、事故の全責任を取るべき東電と政府は、事故によって人生そのものをはぎ取られた住民の方々に何もやってない。(しかも東電の社員には普通通りにボーナスが出たときいて、彼らの人間性を疑ってしまった。)

 

 一度、起こってしまったら、もう全く取り返しがつかない、日本の将来が崩れ落ちるという可能性があるということを知って、日本の原発問題が今、一番優先させねばならない問題だとわかったのですが、どうも人々の反応は今一なのです。「原発の安全神話はうそだった」ということは、福島原発事故以降、ここにきて明らかになってきていますので、いくらなんでも「原発推進」の人は少なくなったようですが、「脱原発」に向けて行動しようとする人は少ないように思います。

 

 この問題は、「前から反核を唱えていた左翼系の人たちや、太鼓を叩き、ギターを弾き、髪が長くて奇抜な格好をしている元ヒッピー(死語となってるかな?)たちが、社会の隅でデモや集会をやっているけど、私は関係ない」という問題ではありません。放射能は右翼、左翼、金持ち、貧乏人、人種、人間、動物、生物、何ら差別しません。

 

 マジョリティである、普通の生活を今送っている人たちこそ、行動しなければならないのです。大人たちは、日本の、世界の将来を担う子供たちを守る義務があります。

 

背中は取材する田中龍介氏。
背中は取材する田中龍介氏。

テントひろば

 11月24日から12月5日まで、検査やなんやらの用事で東京にいました。(東京の住民なのです。)せっかくだから、下北沢の「ぐ」の蕾さんに誘われたので、画家の田島和子さん(丸木美術館で開かれる「反核・反戦展」に毎年出展している、インパクトがあって色使いの良い絵を描く画家)にも声をかけて、最終日の12月5日に、経産省の前の「とつきとおかのテントひろば」テント村に行ってきました。

 

 テントの中にはこたつがあり(電気は入ってないけれど)、膝掛けがあり、パオの中のように暖かくて、そこは役所が立ち並ぶ堅苦しい雰囲気から一転して、やわらかですぐ打ち解ける、まさにおんなたちの空間でした。

 

 卓上コンロで湧かしたお茶、差し入れのいなり寿司、お菓子をごちそうになるうちに、様々な女性たちが訪ねてきて、肩の凝らない会話をしながら、情報交換もでき、居候が得意なわたしはそのまま泊まってしまいそうになりました。

 

 私がいつもネットで情報を見ているジャーナリストの田中龍介さんもひょっこり取材に顔を出されました。詳しくは彼のブログを開いて見て下さい。写真の大勢の女性たちに混ざって、田島さん、蕾さん、わたしもいますよ。http://tanakaryusaku.jp/2011/12/0003294

 

 十月十日ですので、このテントは来年9月まで続きます。地下鉄・霞ヶ関のA12出口を出たすぐにテントはあります。時間があったら、訪ねてみたらいいと思います。差し入れするなら、ティッシュ、卓上コンロのガスが今必需品だそうです。でも、手ぶらでもいいと思います。もちろんカンパも歓迎されるでしょう。