明日飛べるかなあ

2012年12月

 12月3日の夜中の12時近く、イスラマバードに着きました。イスラマバードで両替などの用事を済ませ、明日チトラールに飛ぶ予定です。

 

 

 

 今朝4時前に起きて、4時半にPIAのフライト情報に電話して、「飛ぶ」という確認をしてから、ハイヤーを頼んで、友人の家の運転手さんを起こして門を開閉してもらって、6時に空港に到着。何の問題もなくチェックインを済ませ、時間通りに7時すぎに飛行機に搭乗して、7時半ぐらいに離陸。「何だ、何だ、けっこうスムーズに飛んだんじゃないか。心配して損した」と機嫌よくしているうちに30分ほどで、中継地のペシャワールへ到着。

 ペシャワールからの乗客の荷物積みや燃料補給などで出発は9時だときいて、うとうとしていると、乗務員のお姉さんの「この飛行機はイスラマバードへ引き返すことになりました」と言う声にばちっと目が覚めた。「チトラールの天候が悪いので、チトラールには行きません。ペシャワールで降りたい人は降りていいですよ。」と言うのだ。

 昨日、アントニオ猪木がペシャワールで、平和アピールのために格闘試合をしたようだが、それだからといって、私がペシャワールで降りてもどうしようもない。(もう少し治安が安定していたら、ペシャワールのパキスタン家族の家に会いに行ってもよいけれど)ということで、ブーメランのようにまたイスラマバードの友人の家に舞い戻ってきた。

 インターネットでチトラールの天気を見ると、今日は部分的に晴れで、明日は部分的に曇り、あさっては雨か雪、その翌日の日曜日はフライトがない日と続く。どうも嫌な予感がする。(12月6日)

 

 ルンブールから週に4日、アユーンのファミリー・プランニングのオフィスに通勤しているグリスタンに電話したら、チトラール地方はどんより曇っているとのことなので、明朝のフライトが運行されるか危うい感じです。

 

 明朝4時に起きて、空港にフライトの状況を電話で訊いて、ハイヤーの手配をし、世話になっている友人の家をまだ暗い中5時半に出なければなりません。6時に空港に着いても、きっとしばらく待たされて、「欠航になりました」ということになりそうで、今一つ気が重いです。飛行機が飛んでくれるよう、ひたすら神様に祈る他ありません。

(12月5日)

 

 やはり 今日も朝4時に起きて、ハイヤーをチャーターして空港に行き、飛行機には乗ったんですが、キャンセル。同じ飛行機のチトラール人の乗客たち(男性一人とその母親、ブニー出身の若い女性)が、「この分だと明日も飛行機は無理だろう。ラワリ峠のトンネルが今日は開くというので、みんなで車をチャーターして陸路で行こう」という話になった。

 

 陸路では外国人は通れないが、「私はIDカードを持っているので多分大丈夫だろう、この状況だと、いつ飛行機が飛ぶかわからない。チョウモスの祭りは始まっているし、重要な浄めの儀礼を受けるために14日までに村に着かなければならないので、うだうだ考えてられない、よし、私も陸路で行こう」と決めた。1人3000ルピーでディールまでと決まったところで、ブニーの女性が「やはり陸路では行かない」と言い出したので、私も彼らと行くのは止めることにした。

 

 その後、チトラールやペシャワールの知り合い、ボンボレットの兄弟、アユーンにいるグリスタンなど方々に電話してわかったことは、チトラールの天気は良い。でもラワリ峠の上空は雲がある。ラワリ・トンネルは週に3日、月、水、金曜日の昼間だけ通れる。ということ。トンネルは今日は開いているが、明日とあさってはまた閉まるわけだ。

 

 以前イスラマバードのカラチカンパニーからチトラールまでの直通コースターが走っていたので、ひょっとして今日行けるかもと思ったが、今はなく、ラワルピンディーのピールワダヒから出ているとの情報をもらい、ブニーの女性の車に便乗させてもらい、サダルからタクシーでピールワダヒに行った。

 

 久しぶりの庶民の街ラワルピンディーは、以前以上にどこもかしこも人が湧き出るように多くて、活気はあるものの、交通渋滞、空気の汚染、道ばたに山となったゴミなどで、車から下りたい気持にはあまりならない。

 

 お祈り用の帽子にターバンを巻いた、いかにも敬虔なイスラム教徒というタクシーの運転手さんは、以外にも英語も話せてとても親切で、チトラール行きのコースターについていろいろ聞いてくれた。それでわかったことは、今日はチトラール行きの便はなく、次は日曜日の夜10時発の便があるということだった。とりあえず、そのままファジアの家に戻って、これからどうするかを考える。

 

 以前から世話になっているペシャワールの家族に何度もあちこち電話かけた後(彼らは電話番号をすぐ変えるのだ)、やっと家族の1人、ニサールさんと話すことができた。ニサールさんは何と国会の上院議員になっていて、イスラマバード暮しをしていて、これから週末の休暇でペシャワールの家に戻ると言う。それで、私もペシャワールまで便乗することにした。

 

 ペシャワールに着いて、誕生したばかりのニサールさんの弟の赤ちゃんの病院を訪問した後、家族に久しぶりに再会し、きっと明日も欠航だろうなと思いながら、夜12時ごろ就寝。(12月7日)

 

 ペシャワールからのフライトはイスラマバードより1時間遅いので、今朝は5時起きだ。機械に吹き込まれたフライトインフォメーションは今日も「飛ぶ」ということなので、「どうせだめだろう」と思いつつも、ひょっとして飛んだ場合は後悔しきれない事態になるので、寝ている家族を起こして、空港へ。

 

 ペシャワールからの切符を新たに買い、チェックイン。そして搭乗。昨日のブニーの女性がイスラマバードから乗っていて、再会をすごく喜んでくれる。「私たち、今日はチトラールに行けるね」と彼女が言う。「まだ喜ぶのは早いよ。チトラール空港に着陸するまでは、安心できないよ」と私。

 

 そして私たちはチトラール空港で拍手をすることができたのです。チトラールに無事に着いたのです。やったー。ばんざーい。今日ルンブール谷に行けば、今月末まではチトラールの町に来ないと思うので、こうやって今、働かない頭でブログに報告しています。それではまたね。(12月8日)