佳世さんとのつながりでー島根へその1

 「このまま車で母さんたちも一緒に島根に戻るから、晶子さんも来ない?」という言葉で、「行く!」ということになった。こういうときこそ、自由の身のメリット。「金はないけど、自由がある。友達がいる。」なのである。直ちに行動するのみだ。

 1日目。有田から来る佳世さんたちと、高速金立STで落ち合い島根に向かう。途中、下関で高速を下りて、アジアの雰囲気漂う唐戸魚市場に寄って、新鮮で格安のお好みにぎりをお昼に食べて満足。島根県の、佳世さんが滞在する美郷町に着いたのは夜の8時すぎ、お家には9時すぎ。辺りはまっ暗。

 

 島根に着いた翌日は、島根有機農業協会で持ち寄りランチ会。佳世さんはナッツがたくさん入ったパンを焼き、ポテトやサラダ、パエリヤなど、協会の方々や神奈川県から数年前にUターンして無農薬農業に挑戦してらっしゃるNさんらの手料理に舌鼓を打つ。

 

 佳世さんの伯父さんのお家に寄った後は、美郷町に移住した陶芸家の橋本白道さんの「陶芸工房くじら」を訪ねる。何をかくそう、橋本さんは佐賀県出身で私の古い友人でもあるのだ。ここ十数年は、北欧やドミニカ共和国などの海外で穴窯プロジェクトを立ち上げたり、ビデオ映像制作に関わる仕事をされたりで、なかなか会えないでいた。それが、数年前に島根の親戚を訪ねていた佳世さんが橋本さんを訪ねたときに、何かの拍子で私の名前が出た。そしたら、「私も知ってるよ」「なあんだ、みんなつながってるんだ」と、世の中狭いことをここでも確認し合ったというわけだ。

 橋本さんの奥さんも陶芸家で、リトアニア出身のベアトリーチェさん。今年の4月、彼女の個展が東京の国立で開かれたときに、たまたまパキスタンから東京に着いたばかりだった私はお会いしてはいたが、今回は一時帰国されていてお留守だった。

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橋本さんのFacebook

 

 3日目。美郷町の国際友好協会から、来週、カラーシャ谷の暮らしについての講演をするよう頼まれる。パソコン持参だったので、画像もあるので引き受けることにする。その件も踏まえて、沢谷交流センターの所長さんに挨拶に行き、帰りに佳世さんのお母さんとリナちゃんとぶらぶら散歩。

 最近の一時帰国では佐賀に長く滞在することが多く、自然が残る佐賀県の田舎の良さを噛み締めてはいたのですが、いやいや、島根県の自然はさらに山や里の緑がもうどこもかしこも飛び出すほど素晴らしい。日本がこんなに自然に恵まれていて、美しいということを日本人はちゃんとわかっているのだろうか。天の神さまに感謝して、この美しい自然を守っていく努力をもっとしていかねばならないと思う。

 

 4日目の夜は、薬学博士・村上光太郎先生の「みんなで考えよう食育講座ーミネラルたっぷりの薬草を味わおう」の楽しくて為になる講義を拝聴する。講義の後に15種類もの薬草料理の試食までさせてもらった。薬草といっても、その辺の山に生えている野草なのだが、全部おいしくてびっくりした。

 

 その翌日は、村上先生の薬草・野外学習があり、山の入口付近を歩いただけで、たくさんの役に立つ薬草を教えていただいた。ほんとうに日本の里山はこういった薬草など、宝の山だ。家のまわりでも、ちょっと耕して種を蒔けば野菜がどんどんできる。こちらのほとんどのお家がご自分のために米や野菜を作っておられるので、佳世さんもあちこちから野菜や総菜をいただいて、食費があまりかからないという。

 

 6日目は佳世さんが「八雲風穴」という地下水で冷された冷気が地表に噴き出し、夏でも5度から10度というひんやり天然クーラーの場に連れていってくれる。帰りに須佐之男命の御魂を祀る「須佐神社」にも寄る。大社作りの本殿、その裏に凛々しくそびえ立つ樹齢1300年の大杉は存在感があふれていた。後でカタログを見たらなるほど、全国有数のパワースポットだと書いてあった。

 この夜は美郷町粕渕の江の川沿いで花火大会が開かれた。数年前の洪水被害により不通になっていた三江線(広島県三次市から江の川沿いを日本海側の江津市まで走る一両の電車)の運転再開と美郷町合併十周年を祝って4000発の花火が打ち上げられた。美郷の四季など、テーマに合う音楽と共に打ち上げられる花火は初めてで、ただ漠然と見るよりインパクトがあった。

 その後に思いがけなくも、広場の舞台で神楽が催された。太鼓、笛、鳴りものリズムと歌いに合わせて男衆が舞う神楽を生まれて初めて見て、花火以上に感動した。子供たちは舞台にかぶりつきで、「大人になったら僕も神楽を舞うんだ」と口々に言う。積極的に伝統芸能を担っていく子供たちがたくさんいるっていうことは良いではありませんか。