どこもかしこも空気が悪すぎる

  今回旅してきたところは、べトナムのフエ、ホイアン以外の都市の全部が、排気ガス、通りに散らかったゴミなどで空気が悪くて、私は今月はじめから喉をやられ、そして鼻水、熱、と風邪の症状が出てしまった。埃と排気ガスで街中全体が灰色に化したカラチでは風邪をこじらせて副鼻腔炎になってしまい、それがイスラマバードに来てからも引きずっていて、なかなか完治しない。

 パキスタンの首都イスラマバードは50年ほど前に造られた計画都市で、他の都市とは違い、街路の緑の並木が並び、洒落た大きな邸宅ばかりが建つ、別世界の空間だった。以前は。それで、イスラマバードに来たら少しは空気がいいから、副鼻腔炎もすぐに治るだろうと期待したわけだが、いやいや、なんちゅうことだ。

 今、イスラマバードではラワルピンディとを結ぶメトロバスの工事が行われていて、市内はまっふたつに掘り返されていて、関係ないと思われる場所までもついでに掘り返され、いたるところに土埃が舞い上がり、緑の並木もどんどん切られて、残った並木も埃だらけでみじめな姿になっている。イスラマバードのすぐ北側に横たわるマルガラヒルも市全体から立ち上がる土埃のために、その姿が見えなくなってしまった。

 工事中のために、さらに交通渋滞はひどくなり、おまけにあっちに迂回こっちに迂回させられて、どんどん目的地から離れていくはめになる。車が増える一方で、市内に駐車場というものがほとんどないので、みんな路上駐車する。出勤時や学校の終了時にはまったく車が動かない状態になる。こういうことを解決するために、メトロバス計画が立ち上がり、工事がされているわけだが、全ルートをいっせいに掘り返しているようで、なんだか計画性がないように見える。来年1月完成予定らしいが、まあ絶対無理だろうが、完成したあかつきにはどこまで交通渋滞が緩和されるか、むむむのむ。

 地球温暖化問題と同時に、都市の大気汚染も併行して取り組んでいかないと、都市には住めなくなってしまうと冗談抜きに危惧してしまう。


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