ギルギットに着いた

 イスラマバード、16日の夜8時発のNATCO(Northern Areas Transport Corporation) バスが出発時点ですでに1時間遅れ、ギルギットに着いたのは翌日の午後6時。始めのうちは1時間走ったら、食事やセキュリティチェックなどのために1時間止まったりして、かかったのは全部で実に21時間。これは先日のチトラール〜イスラマバードの朝8時半出発、夜10時イスラマバード着の13時間半よりもダントツに長いドライブだった。


 パキスタンに来てから28年、チトラール〜ペシャワール、またはチトラール〜イスラマバードは数え切れないほど陸路でも旅したが、イスラマバード〜ギルギットは何と初めての体験だった。カラコルム・ハイウエイは道幅も広く快適だと思っていたのに、ジグザグのカーブが多くて、揺れること揺れること。行儀の悪い乗客が捨てたペットボトルやらポテトチップスの袋やらお菓子のくずが、その度にバスの中であっちにごろごろ、こっちにごろごろ。途中で、私の隣の席の男性が、私がショルダーバッグとデイパックの二つを抱えて大変だろうと、空いている席に移ってくれたので、私は2席使えることになり、靴を脱いで足を上げれて楽ちんだったが、私の靴もペットボトルなどのゴミと一緒にバスの床をずるずる移動しておりました。


 インダス河からかなり上方を走るハイウェイからの景色はチトラール地方と似たところも一部あるけれど、それよりも何十倍もダイナミックだ。しかし人が住む村があまり見られず、多くが砂漠化しているように見えた。玄奘法師が通った昔からこうだったのだろうか、それとも近年になってからこうなったのか気になった。


 17日からラマザン明けのイード祭が始まった。ほんとうはどんどん中国国境に向けて移動したいところだが、イード祭の間はどこもかしこも、店もバス会社も休みなんで、数日間マディナ・ゲストハウスに滞在することにした。このゲストハウスのオーナー、ヤクッブさんは少し知り合いなので(5年前にこのゲストハウスでなく、マディナ・ホテルに泊まったことにより)、イード祭期間も安心して滞在できる。部屋は清潔でとても感じがよい。リーズナブルな部屋代なのにトイレにはパキスタン式と西洋式の二つの便器があった。


 写真はこの後、フォトギャラリーでアップする予定。