夏祭り、ウチョウも終わった

カラーシャの生活は冠婚葬祭を軸にして回っている感がある。春祭り(ジョシ)が終わると、人々は次の夏祭り(ウチャウ)を頭に描いて日常を送る。

⚫️喪明けの行事

 私がバラングル村に戻ってくる少し前の4月24日に、マシャールのお祖母さんが亡くなった。配偶者であるマシャールのお祖父さんは次の祭りまで喪に服さねばならない。次の祭りはジョシだったが、期間が短いからだろう、ジョシを飛び越してウチャウまで4ヶ月間の長い喪中になった。

 

 喪中はたいそう不浄な期間であり、マシャールのお祖父さんは家の入り口で寝起きし、ジェシタック神が宿る奥には足を踏み入れることは禁じられる。椅子にも座れず、山羊の肉やチーズも食べられない。着ている服や寝床の布団も不浄とみなされ、喪明けの日にすべて下の川原で燃やさねばならない。そして喪中に7回、仔山羊を犠牲にして浄めの儀礼イストンガスを行わなければならない。

 

 お祖父さんはそうでなくともここ数年たいそう弱り、膝が痛くて歩くのにも難儀になっているのに、この喪の掟のために行動の不自由を強いられて、さらに弱り、寝たっきりに近い状態になってしまった。カラーシャの死者の配偶者にかかる喪の掟は、なんだか「配偶者が死んだから、あんたも死になさい」と強要されているようだと外から来た私は思ってしまう。

 

 ウチャウの2日前、その喪を解く行事が行われた。最後の7回目のイストンガスが屋根上で行われ、親戚、村人への饗応のためには別にメス山羊が捌かれた。これでようやくマシャールのお祖父さんは普段の生活に戻れる。弱った足腰が回復して、付近を歩けるようになればいいが。

 

 ウチャウの前日には乳児のグルパリックの行事が行われた。近年は、飾り帽子をかぶった赤ん坊と母親が浄めの儀礼、シシャウ・スチックを神殿で受け、集まった村の子供たちにクルミパンを分け与えるだけの小さなイベントになった。

 

⚫️ウチャウ

 男たちは夏の間、高地の山羊の放牧場でせっせとチーズ作りに励む。ウチャウの日、高地からチーズを抱えて降りてきた男たちはまずはサジゴールに行き、サジゴール神にパンとチーズ捧げる儀礼を行う。その後各家で家族全員、たらふくチーズを食する。嫁にいった一族の女たちにも配られる。昼頃からグロム村の踊り場で踊りが繰り広げられるが、大ジョシの祭りの日のような様々な踊りはない。

 

 

 ウチャウが終わると、春に蒔いて成長したトウモロコシや豆の収穫、クルミやりんご、ブドウなどの収穫がスタートし、にわかに忙しくなる。