夢の三江線めぐり-1

  10月18日に日本に着く前だったか、着いてからだったか、島根県美郷町で「くじら窯」を構えている陶芸家の橋本白道さんからの情報で、「三江線が廃線になる」ことを知った。

 JR三江線は広島県の北東部寄りにある三次市と、島根県の日本海に位置する江津市を結ぶ全長100キロ以上のローカル線である。カラーシャ谷で知り合い、親しい友人になった佳世さんが、島根の美郷町で「町興し協力隊」として赴任していた2年前、彼女にくっついて美郷町に10日間ほど滞在した際に、緑美しい山々の中を縫うように流れる江ノ川沿いをのんびり走る1両編成の三江線を見て、「いつか三江線に乗ってみたい」と憧れに似た気持ちを持つようになったのだ。

 

 その三江線が廃線になるとは。でも、2年前も乗客が2、3人ぐらいだったことを思うと、確かに採算は取れてなく経営上は仕方のないことかも知れない。それにしても残念だ。そういう話を、東京の居候先のいさ子さんとしていたら、あらあら、いつの間にか「三江線に乗りに行こう」という話がどんどん現実化して、11月に佐賀に帰省してから、一息つく間もなく、11月半ばの5日間、贅沢な小旅行に出たのであった。同行したのはいさ子さんと博多の道子さん。

 

 三江線に乗るんだったら、沿線の橋本さんにも会いたいということで連絡したら、橋本さんは「人を集めるから、うちでカラーシャのプレゼンしなさいよ」という話になった。ということで、一日目は早朝佐賀を出て、博多で道子さんと落ち合い、20年ぶりかの新幹線で広島まで、そこで2両編成の芸備線に乗り換えて、ローカル色が徐々に深まる三次に着いたのは1時45分。そこで前日東京から広島に来て一泊していたいさ子さんと合流。弁当でも買おうかと思ったが、駅付近にはたいした物はなく、駅の小さなコンビニでビールとつまみを買って午後2時15分発の三江線に乗り込む。

 

 三江線はとにかく本数が少なくて、三次からは1日に5本、それも江津まで行くのは早朝5時44分のみ。利用客が2~3人ときいていたのに反し、カメラをぶら下げた中高齢者の団体さんがたくさん乗り込んできて、けっこうな賑わいだった。我々と同じく廃線を知って駆けつけた方々であろう。私たちが乗った3本目の三江線は口羽駅止まりで、本来ならこの駅より3駅江津寄りの石見都賀駅に行きたかったのだが、どうしようもない。橋本さんに車で迎えにきてもらって、途中ホームが116段の階段を上った地上20mにある日本一の高架駅、宇津井駅を見学したりして、橋本さんの「くじら窯」へ。

 

 私のプレゼンには、同日に地域の祭りとダブって来れない方がいると聞いていたけど、13~4人が集まってくださった。このために新しく画像を選び直してDVDを作ったが、今回は「友人のお家」ということで、台詞を事前に書いておくこともせずに出たとこ勝負で、わりあいリラックスできて話ができた。

 

 その後は参加者持ち寄りのご馳走に舌鼓を打ちながらの飲み会。クリームシチューやチャプチェ、ホームメイドのパン、カレー、おでん、から揚げ色々ありましたが、イノシシの燻製肉とアナグマの刺身が、外からきた私たちには大変珍しく、なかなか美味しかった。同行の友たちが寝た後も、橋本さんと若者たちに混ぜてもらって1時まで飲み、日本の若い世代との交流の機会があまりない私には新鮮だった。

 

 「くじら窯」のホームページは:

http://hakudou-camino.jimdo.com/ceramic-studio-kujira/