いい番犬になってくれるかタロちゃん(7月16日)

 6月はじめ、ジャマットの庭の端に積んである古木材の下でメス野良犬が6匹の子供を産んだ。その中で一番頭や手足が大きく、口周り、手足先、しっぽの先が白くて、私が見た中では一番グッドルッキングだったオスを、うちの番犬にしようと目をつけた。

 母犬はその後、もう少し安全な場所に6匹とも移したが、そこもうちからすぐそこなので時々様子を伺っていた。母犬にも将来の番犬を育ててくれてるからと、カラーシャ・パンを与えていた。

 そのうち、近所の少年が「この中の一番大きいオスの子犬を高地の放牧場に連れていく」と言い出したので、25日後、まだ小さかったけど他に連れて行かれる前にと、うちに連れて来た。

 

 タロー・ジャンと名づけ、慣れるまで名前を呼びながらずーと撫でていると、私の足の甲を枕にして眠ってしまい、なかなかかわゆい。しかし最初の晩は折しも雷がすごくて怯えて鳴くし、ミルクパックの箱の寝床でせっかくは寝付いたと思いきや、40分ごとに尿意をもよおして寝床から離れた所でおしっこをするのでまた鳴く。母犬の乳をしょっちゅう飲んでいただろうからと、そのたびに水を混ぜたミルクを補充する。ということでほとんど眠れなかった。

 

 サイフラー・ゲストハウスに泊まっていたヨーロッパ人から、「子犬を育てるんだったら、そんな状態が三ヶ月続くよ」と言われたのでちょっとそれはしんどいなあと思っていると、次の晩は2時間おき、3日目は1、2度しか起きず、一週間もしたら夜はほとんど問題なくなった。10年前に初めて飼ったハナよりは楽かもと思う。しかし、じゃれて甘噛みするのが激しくなり、私のカラーシャ服の裾はいつもタローに噛まれまくっている。

 

 ショックだったのは、タローが一番大きかったはずなのに、他に残った兄弟たちを見ると、タローを追い越してムクムク大きくなっている。ミルクパックのミルク(贅沢といえば贅沢)をいつも与え、トウモロコシ・パンは好きでないようなので小麦パンをわざわざ調達して小さくちぎってあげているし、他にも油ご飯、ポラタ、肉汁ポタージュなど、兄弟たちよりバラエティに富んだのをあげているのに、タローはなかなか成長しない。(その代わりうんちの量や回数がすごくなった)

 やはり母犬の母乳の力はすごい。母犬は野良ちゃんなので、虐げられて石を投げられたりしてパンにも思うようにありつけないのに、タローを除いた5匹をりっぱに育てている。この頃はすっかり私の尊敬の対象になっているのです。

 

 

 この母犬、ジャマットの目を盗んで(ジャマットはこの犬が庭に糞をするからと、石を投げて追い返す)、私の敷地にやって来たとき、タローを近づけたら、母犬はごろりと横になって授乳の体勢になってくれた。タローも一目散でおっぱいのところに行ったかに見えたが、吸うことをすっかり忘れたようで、すぐにおっぱいから離れて母犬の顔やしっぽにじゃれついている。私も何度もおっぱいのところに持って吸ってくれるよう手助けするが全くダメ。ちなみに母犬のおっぱいを私が手で絞ってみたら乳は出なかったので、他の兄弟に吸われた後だったかもしれないが、何か、タローの成長が遅いのは私の責任のようで、気分が重くなるのです。タロー、早く大きくなれ!

 

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コメント: 2
  • #1

    junko (火曜日, 18 7月 2017 20:24)

    晶子さん
    当分振り回されるのでしょうが、良き友達、家族、癒されますよ\(^o^)/。

  • #2

    わだ晶子 (水曜日, 26 7月 2017 14:54)

    ほんと、振り回されてます。7月27日でうちに連れて来て一ヶ月になるのに、相変わらず小さい。あまり食べ物を与えても吐いたりするし、今朝はウンチがたくさんで、最後のウンチには血なのか意味不明の赤いものが混ざっていたので、心配しています。