春はすぐそこに / Spring is just around the corner

 このブログは2月25日にアップするはずだったが、普段でもWifi環境が非常に悪いのに、このところさらに悪くなり、Eメールですらほとんど開かない状態。それでも「今日はイケるか」と毎日毎日辛抱強く数時間試みていたがダメ。そうやこうやするうちに3月5日、チトラールに出て来る日になった。

 以下は2月25日以前に書いたものです。

 

 今月前半まではまだまだ冬の真っ最中という状況で、凍った雪道で滑って打撲した人の話もよく聞いた。「転倒して人工股関節が外れたら、死ぬほど痛いだけでなく、パキスタンのそこら辺の病院では治しようがない」と医者から脅かされている身としては、極力転倒リスクを避けて出歩かない毎日だった。

 

 朝と夕に近くの親戚の家に焼いてもらっているタローのパンを取りに行き、ついでにちょっと雑談。部屋に戻ったら、薪ストーブのそばで図書室活動の準備、読書、雑用、午後、図書室オープンの時間になったら一階の図書室に降りる。図書室を閉めたらもう夕食の用意をする時間になっている。あっという間に1日が過ぎて行く。確実に運動不足ではあるが仕方あるまい。という日々だった。

写真上 Photo↑:2月前半の道路はまだこの状態だった。/ The situation of the road in Rumbur in early Feb. was like this.

写真下 Photo ↓:2月後半、庭の雪も解けて、泥まんじゅうを作って遊ぶ子供たち / Children playing with the bread made of soil on the snow melted ground In later Feb. 

 

 

  2月14日にこちらでいう小寒が終わり、その1週間後の2月21日に男たちによる「バースン・マラット/ 春の儀礼」がサジゴールで行われた。翌日に娘たちの「橋渡りの儀」が行われると、チョウモス祭以来、禁止されていた上流地域に、女性たちも出かけることができるようになった。

 

  写真上 Photo above↓:牛一頭と子山羊一頭が捧げられてバースンマラットが行われた/Basun Marat was held in Sajigor by offering one caw and one kid.  

 写真下 Photo below : 儀礼を行うサジゴール近くの橋に行く前の道3ヶ所で、娘たちは持ってきたクルミを割って川に向かって投げる。/ At three points on the road to the bridge where the ritual held, girls cracked their walnuts and threw towards the river.

 

山の陰になっているバラングル村は12月、1月は陽が8時半から12時半の短い間顔を出すだけだったが、近頃は8時から2時頃まで陽が当たるようになり、一気に暖かくなった。道の雪も解け、所々に泥濘が残ってはいるものの歩きやすくなった。しかし解けた雪の下から現れるゴミの数々と臭いには顔をしかめたくなる。

 

 

写真Photo:バラングル村の広場/ After snow melted in Balanguru

キラン図書室

  博多で老人ホームなどを訪問して紙芝居活動している友人から寄贈してもらった紙芝居「ブレーメンの音楽隊」と「トカゲのチョロリ」。チョロリは簡単だったのですぐにカラーシャ語に訳して、図書室で子供らに披露したけど、ブレーメンの方はついつい後回しになって戸棚に眠っていた。それを最近見つけて、ヤシールに助けてもらいながらカラーシャ訳し、清書して紙芝居の裏面に貼り付け、ようやく完成。まず、私が上演させてもらったが、カラーシャ語で書いてあるのを興味深そうに、私の後ろで復唱していた高校生に、その数日後に同じブレーメンの音楽隊をやってもらった。

 

 

写真上/photo above:女子生徒による紙芝居の上演 / Performing kamisibai/picture- story show in Kalasha language by high school student 

写真下/Photo below: ヤシールによる衛生マナーの紙芝居/Performing picture-story show of hygiene by Yasir

 

 

学校の冬休みも2月いっぱいで終わり、3月から新学期が始まり、生徒たちは進級試験を受ける。Akikoの家のキラン図書室も一応、冬の活動は閉じる。チョウモス祭、カラスの願掛けが終わった12月26日から、正月でさえも1日も休まず、2ヶ月以上続けてきたわけだ。私も3月はちょっくら友人たちに会いにイスラマバードに出向き気分転換したいと思っている。

 

  写真Photo:山羊の放牧に同行するタロー。でも気分屋なので、途中で家に戻ってきたりする /Taroh, my dog, with goat herds. Sometimes he goes with them for all day long but sometimes he come back home quickly. 

 

トンネルができても楽チンじゃない

 3月5日、チトラール経由でイスラマバードに向けて家を出るその朝、ボタン雪。標高の低いチトラールの町ではまさか雪じゃないだろうと思っていたが、チトラールでも雪。午後7時のバスに乗る身としては、カラーシャの親戚が室長をしているTourist Infomation Centerで、インターネットでブログ更新したり、メールをチェックしたりして時間を潰そうと予定してたが、ここだけ電気がないとのこと。なんでも昨夜大型トラックが3本の電線を引っかけて通り過ぎたらしい。修理を要請しても、雪や雨が降ってるときは危険だから晴れるまでできないという。電気ヒーターもないんでじっとしてると寒いのなんの。

 

 そこでチトラール博物館の館長をしているカラーシャ女性、サイードグルに電話して彼女のオフィスに居させてもらうことにする。ちょうどサイードグルのお母さんも来ていて、薪ストーブの火に当たりながら、よもやま話をしながら時間をつぶす。途中でサイードグルはチトラール・スカウトの中にあるジムに運動をしに行ったりして、つくづくカラーシャ女性の生活も変わったもんだと思う。もちろん彼女は特殊だろうけどね。

 

 新しい大型バスは時間通りに午後7時に出発。女性客が他にいなかったので、私一人で2席分に悠々と座ることができた。9時半にラワリトンネルに入り、6分でディール側に抜ける。驚いたことにディール側は30センチ以上の雪が積もっていて、その上に道路工事が終わっておらずブルドーザーなどの車輌が道路の両側にあったりして、道路幅が極端に狭くなっている。そこにダットサン/ピックアップがスリップして立ち往生。チトラール側から来る我々が乗ったバスやトラック、自家用車、そしてディール側から来るトラックなどの車も立ち往生で動きが取れない。1時間経ち雪も降り出して来たが、交通整理の警官がいるわけではなし、止まったままでどういう状況なのか運転手さんも把握できない。2時間経ちほとんどの乗客はバスを降りて、雪とぬかるみの混ざった道路脇を歩きにくそうにしながら用を足しに行く。しかし私は我慢するしかない。4時間半足止め、これじゃあ明日の昼間まで無理かと諦めてたら、やっと動き出した。やれやれ。

 

 

 イスラマバードでは一昨年のチョウモスの時に滞在されたひな子さんに会い、ドイツから戻って来て、この3月20日からNational Art Gallary で個展を開くファジアに会い、3泊して再びバスでチトラールに戻る。春だから暖かいと思っていたのに意外に寒くて、早くも里心がついた感じだ。帰路はスムーズに通ってくれるよう祈るばかりでございやす。