「女性、樹木、詩、風」のコラボ

 キラン図書室&多目的ホールがある「AKIKOの家」、「ジェシタク神殿」、「カラーシャ小学校」、「チョウモスの踊り場」などを、山からの土砂崩れから守るための堤防と防護壁、およびゴミ焼却炉の建設のプロジェクトを日本大使館の草の根援助の協力のもとで考えていて、春から申請書を作成している。

 しかし、色々とわからない点があってずっと滞っている。SMSを通じて問い合わせをすればいいのであるが、わからない点をわかりやすい文章にするのが難しいので、「えーい、もう直接訊いた方が早い」と7ヶ月ぶりにイスラマバード にやって来た。ルンブールはすっかり涼しくなりストーブに火を入れることもあったのに、イスラマバード はまだ夏のままで昼間は30度以上の暑さだ。

 うまいタイミングで、居候先のファジアの行事が、翌々日の午後にF9パークのバニアンの木を会場として開かれた。パキスタンで犠牲になった人権活動家の女性たちが描かれた蚊帳を切って作った旗が、樹齢150年のバニヤンの枝に掲げられ、特別ゲストの詩人キシュワール・ナヒード女史の詩の朗読に、女性たちの旗がまるでチベットのタルチョのように風になびいた。

 ファジアは有志たちと、「木を植えよう」グループを立ち上げ、開発が急激に進むイスラマバード の自然を守る活動もしていて、これまでにもイスラマバード に残る長寿の樹々を保護して来た。この日の行事は「自然、樹木、女たち」の存在認識をアートと詩によってアピールしたものだった。