「この夏のお客様」の続き / My guests during this summer- No.2

 第3弾のお客様、豊田武雄さんは現在タイの北部で畑作業をされながら暮らしておられる。ご家族は日本、ご本人は5匹のワンちゃんとの暮らし。タイに移住される前はJICAの援助開発専門家として、アジア、アフリカ、パレスチナなどで活躍され、経験豊かで、私のボランティア活動においての苦労話もよくよく理解されて耳を傾けてもらった。豊田さんからも例えばエコ・ツーリズムを開発・実践する可能性についてもアドバイスをいただいた。

 豊田さんとは、陶芸家で海外交流にも尽力された橋本力男さんを通じて、FBでやり取りをするようになったわけだが、その橋本さんは今年の1月にユニークで濃い人生をこの世で終えて旅立ってしまわれた。結局、豊田さん、橋本さんと3人で会うことは叶わなかったので、ゲストハウスの夕食時に豊田さんの音頭で橋本さんに向けて地酒で乾杯をした。

 豊田さんは村の「サイフラー・ゲストハウス」に2泊された後、チトラール、マストゥージ、ギルギット、フンザに向かい、国境を越えて中国に入り、新疆から東へ向かい、雲南省、西双版納(シーサンバンナ)を通って南下してラオスに入り、タイのお家に戻るという計画。主に仏教遺跡関係を中心に廻られるということだ。

 ちょうど10年前、私がタイからラオスを旅した際、北部の町ルアンナムターのバスターミナルで「景洪」行きのバスを見て、「あ、西双版納に行くのか」と思わず乗りたくなったことを思い出す。1987年、カラーシャ谷に繋がる旅は中国の雲南省から始まった(実際は香港、広州にも寄ったが)と言ってよい。どうしてもマイノリティ志向の私は少数民族の人たちに興味を持つので、大理から少数民族が多く住む西双版納に行きたかったが、当時は道路も悪く、何日もかかるというので諦めたのだ。今は鉄道も通っているらしい。まあ、36年も経てばそうなるだろうね。豊田さんの一人旅、楽しく無事に終えることを願う。